母が亡くなり半年が過ぎ、兄弟姉妹4人が実家に集まった。各々時間の制約があったが、少しだけ4人で片付けをした。どこを開けてもきれいに整理がなされており、几帳面だった母の性格が伺えた。4人でこんなものが出てきたなどひとつひとつが心に染み入る。私は押し入れの中から出てきた、弟が小学校2年の時に書いた日記を目にしていた。この時は父母と私と弟と4人でいったのであろう、「ポートピア81」に言ったときのことが書かれていた。40年以上前の記憶が蘇り、そのときにタイムスリップすることができた。しかし遺品整理は「深い悲しみ」とこんなにも愛情を持って育ててきてくれてありがとうという「感謝の気持ち」をもたらした。遺された物が、人を語る。遺品整理は、その人の姿を心に刻み付ける儀式であり、最後のコミュニケーションなのかもしれない。