2023年1月に日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科医学会が合同で「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」を発出した。乳歯の萌出から5歳までは1,000ppmF の歯磨剤を推奨し、6歳からと成人・高齢者では、1,500ppmF の歯磨剤を歯ブラシ全体に取り、就寝前を含む1日2回のブラッシングが推奨されている。さらに、「歯磨きの後は、歯磨剤を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回のみとする」とされており、口腔内にフッ化物が残るように歯磨剤を用いることを勧めている。この、口腔内にフッ化物が残るブラッシング法でう蝕予防効果が示されている MFTT (The modified fluoride toothpastetechnique) 法(イエテボリ法とも呼ばれる)では,矯正装置を装着した者の2年後のう蝕発生は平均0.6歯面であり、通常のブラッシングと比較して5.8倍も少ないことが示されている。
MFTT が推奨するブラッシング法
1. 2cm(1g)の歯磨き粉を濡らした歯ブラシに付ける
2. 上下の顎に均等に歯磨き粉を広げる
3. 歯の表面全体を2分間磨く
4. 歯磨剤を吐き出す前に片手ですくえるくらいの少量の水を口に含み30秒うがいをする
5. 追加の水でのうがいを避ける
6. 歯磨き後2時間は飲食を避ける
7. 朝食後と就寝前の1日2回歯磨きを行う
日本歯科医師会雑誌より抜粋
