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おいしく食べることの大切さ

おいしさとは体が要求するものを食べたときにわき上がる快感です。おいしく味わうためには、味覚、嗅覚(香り)、食感(テクスチャー、舌触り、噛みごたえ)、温度覚(冷たい、温かい)、視覚(色どり、盛り付け)、聴覚などのバランスが重要で、よく噛めることが条件となります。ロの中に食べ物が入ると、口の中に溶出した物質により味蕾(口腔内に取り込まれた物質の刺邀を受け取る構造物)が刺激され、味覚神経を通って脳に送り込まれ、味覚が生じます。この機能の発達はきわめて早く、すでに胎児の時から味がわかっています。従って、赤ちゃんの口の中に砂糖水を少し入れると、にこやかな顔をして口を動かして飲み込もうとしますが、すっぱいものを入れると、顔をしかめて嫌な表情を示します。このように、食べるという行動に関わる味の感覚は生まれたときにはもう機能しています。そして、味覚の機能はほぼ一生衰えることなく続いていきます。また、おいしさは脳で感じ、おいしいと思うときにはベンゾアゼピン誘導体や脳内麻薬として知られるβ-エンドルフィンが放出されます。そしてもっと食べたいという意欲はドーパミンが関与し、実際に咀嚼、嚥下、消化吸収といった摂食行動を生じさせ、満腹感とともに食事をストップさせます。おいしい食べ物の誘惑に負けることなく脳内物質の動態に従えば適正な食生活が保たれます。ですが、おいしいものを適量摂取することは体にとって必要です。まずいものを我慢して食べたときは、消化が悪く胃もたれをおこし、免疫能が低下しますが、おいしく味わって食べたときは消化能が上昇し、ストレスが緩和され、免疫能が上昇するといわれています。長寿の秘訣は、好き嫌いなく様々な食べ物を適量よく味わっておいしく食べることにあり、そのためにはよく噛める歯を保つことが大切です。子どもの頃からいろいろな食べ物を家族揃って楽しくおいしく味わう経験が必要になります。

 

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