高齢の患者さんには、加齢や脱水、薬剤の影響で
口腔乾燥症の患者さんが多くいらっしゃいます。
そんな患者さんの主訴には
・口の中が乾く
・パサパサしたものを食べると口の中にひっつく
・渋柿を食べたような感じがする
といったものがあります。
そんな口腔乾燥症の患者さんの口腔ケアには
次のような内容のものがあります。
・唾液腺マッサージ
・咀嚼訓練
・人工唾液の塗布
・口腔保湿剤の塗布
・温感パック
・歯磨き
多くの場合、これらを複数、組み合わせて実施されます。
その中でも簡単にできて効果があるのが
唾液腺マッサージ。
マッサージとは、器具などを使用しないで
徒手的に人の体表面に刺激を与える方法のことで
唾液腺マッサージでは
耳下腺、顎下腺、舌下腺を刺激します。
ちなみに、随意的な運動や体操などが可能な患者さんの場合には
マッサージは極力、
患者さん本人にやってもらうのが良いそうです。
というのも、自分でできる患者さんの中には
逆に不快感を感じる方もいらっしゃいますし
場合によっては、自立に向けた意欲の妨げにもなる
恐れがあるからだそうです。
親切心でやってあげようとすることが
あだになるということですね。
もちろん、ご自身でやってもらった上で
まだ不足しているようならば補ってあげるのは良いようです。
あと、ご存知のように、唾液の分泌は
自律神経によってコントロールされています。
ですので、リラックスした精神状態のとき
サラサラの唾液が多くなります。
また、情動活動が活発なほど唾液が多くなります。
ですから、テレビを見たり本を読んだり
人と話をしたりして、頭でものを考える活動が多いほど
唾液の分泌が多くなるそうです。
そういう意味では、積極的に患者さんに話しかけて
会話をするということも効果があるのでしょう。
話をすることで口腔周囲筋のリハビリや
嚥下体操の代わりにもなります。