最近、相手に伝える方法を考えるようになった。
同じことを伝えていても人それぞれ伝わり方は異なる。
おそらく、答えは「私の答え」であって、あなたの答えと同じではないからであろう。
同じ問いに対し、手にする答えは同じではない。
以前私は自分の思いと違えば、相手に対し、そのの答えは違うといってしまっていた。
しかしまず相手の話に耳を傾けて聴き、その答えも間違いではないと認め、
私はこのように思っていたということを伝えれば、答えは違っても認め合う関係ができる。
ここで大事になってくるのが「平常心」の養い方、感情のコントロールである。
自らの感情に気づくことが大切で、その感情を一旦横に置き心を落ち着かせること、
そして客観的な立場で中立な姿勢を意識し、相手のペースにならないようにすることである。
もっとも難しい、「平常心」の習慣化、自分が変われば相手も変わる。
医療者は治療的自我、「治療者の人間性、品格」をもちあわせていなければならない。
知識、技術、があるだけではダメ。
患者の身体だけではなく、心の痛みまで理解し、傾聴し、共感し、受容し、寄り添い、
人間として尊敬されるような「人間的品格」がなければならない。
医療者の人間的品格に惹かれ、患者の「心の治癒力」にスイッチが入る。
多少の見立ての間違いや、医学的に良くない治療をしてしまったとしても、
治療的自我が通じていれば、患者が納得し得ることがある。
もちろん知識や技術の研鑽は、プロとしての治療者の責務及び義務である。