感染対策の基本となるのは、標準予防策(スタンダード・プリコーション)と感染経路別予防策である。標準予防策は、「すべての患者のすべての湿性生体物質:血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、創傷皮膚、粘膜等は、感染性があるものとして取り扱わなければならない」という考え方を基本としている。
我々、歯科医療者はもともとウイルス感染対策をおこなってきた。長きにわたりAIDSや肝炎の方とも向き合い、自分たちの身体は自分たちで守ってきた。マスク・ゴーグルなどの個人防護具やエアロゾル対策として吸引器を使用し、感染予防対策は万全である。これらの対策により、これまでに歯科医療を通じてのコロナウイルス拡大の報告はない。歯科医療者向けのワクチン接種は2021年6月までにほぼ終了している。歯科医院受診時の感染リスクは、ほぼゼロ。一方、歯科医院受診を控えることでの新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは高まる。
お口の健康は全身の健康に繋がる。我々は生まれてから死ぬまで食べて、喋って、笑う。自分らしく生き豊かな人生を送るためにも、お口のケアを大切にしてほしい。