昨日、「6月に娘の結婚式があるので入れ歯を作成して欲しい」ということが主訴で来院された患者様、歯科恐怖症でずいぶん長い間、歯医者には通われていなかったようだ。レントゲンや口腔内写真からも今までの経緯は予測できる。骨吸収も著しく、難症例。
過去の歯科治療によって、怖い思いや、嫌な思いをした事で、トラウマになってしまっている方は案外多く、ムシ歯になっても歯科医院への受診をためらってしまう為、簡単には受診ができず、痛み止めを飲んでやり過ごす方も多い。ところがムシ歯は自然には治癒するものではないので、どんどん進行し気がついたら激痛になり、食べることも生活しているだけでもズキズキとしてしまう。そうすると、さらに恐怖心が増し、さらに歯医者に行きづらくなる。このように歯科恐怖症になってしまった方に、どのように接し歯科治療を受けてもらえばいいか?我々は考えなければならない。
「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」と言われており、この方も娘さんのために勇気をだされ、歯科医院の扉を開かれた。この入れ歯作成には、いろんな思いが込められており、私の責務は大きい。娘さんとのバージンロードを笑顔で歩いて頂くためにも、歯科技工士とも連携し、この「入れ歯」を全力で作成したい。