健康な人の1日の唾液分泌量は1~1.5リットル。
唾液はお口を潤すだけでなく、機能を持ちカラダを守っています。
1 消化作用 アミラーゼがデンプンを分解して体内に吸収しやすくする。
2 抗菌作用 細菌の増殖を抑える
3 粘膜保護作用 ムチン(糖タンパク)が喉や食道を傷つけにくくする。
4 食塊形成作用 味を感じさせ、噛み砕いたり飲み込んだりしやすい塊にする。
5 PH緩衝作用 飲食により酸性に傾いたお口のPHを中和させる。
6 粘膜修復作用 組織が傷ついたときに修復する。
7 再石化作用 飲食により、溶けかかった歯面の修復をする。
8 潤滑作用 発音や発生をスムーズにする。
※唾液の分泌量は遺伝や疾患だけでなく、年齢や薬物の使用も影響します。
お口の中を切っても、治りが早いのはこのような作用があるからなんですよ。
「食べる」という行為は
「噛む(咀嚼)」「まとめる(食塊形成)」「飲み込む(嚥下)」の工程からなります。
唾液が少ないと・・・どんなことに困るの?
● 唾液が正常に分泌されている時
食べる→噛む→まとめる→飲み込む
噛む 歯と顎の力で細かく砕く
まとめる 飲み込みやすくするために、唾液を使って適度な塊にする。
飲み込み 喉から食道へ送り込む(唾液で食べ物を覆っているので喉や食道が傷つかない)
● 唾液分泌量が少ないとき
唾液がないと適度な塊にならない。
じょうずに塊がつくれないので、飲み込むのにも苦労する。
塊がつくれないので、飲み込みに失敗し、喉から気管にいくことも
これを放置しておくと誤嚥性肺炎のリスクが高まる。
また唾液が少ないと抗菌作用が働かず、菌が繁殖しやすくなり、むし歯、歯周病、口臭のリスクも高まる。
これを放置しておくと食事が面倒になり、食欲不振や低栄養になる。