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乳幼児のうがいの練習・指導(インフルエンザ予防)

うがいはインフルエンザやむし歯の予防に有用で、大きく分けて口の中を清潔にする「ブクブクうがい」と、のどを清潔にする「ガラガラうがい」に分けられます。どちらのうがいも呼吸機能や摂食・嚥下機能、言語機能などの口腔機能の発達と深い関連性が認められています。

[1]ブクブクうがい(口の洗浄)

健常児の場合、3歳児で約 50%4歳児では約 75%の子どもたちができるようになります。

[2]ガラガラうがい(のどの洗浄)

ガラガラうがいは、鼻咽腔を閉鎖し、誤嚥や嚥下反射が起こらないように呼気を利用して行うため、ブクブクうがいに比べて難しい動作といえます。

健常児の場合、3歳児で約 25%4歳児で約 50%5歳児で約 75%の子どもたちができるようになります。

ブクブクうがいの練習

うがい動作は、できるようになるまでにいくつかの段階に分けることができます。

①声かけや手本を見せてもできない。

②口に水を含むことができるが、そのまま飲んでしまう。

③水を飲んでから「ペー」と言いながら吐き出すまねをする。

④一旦、口の中に水を貯めて「ペー」と吐き出す。

⑤口の中に貯めた水を両側の頬を同時に動かして吐き出す。

⑥口の中に貯めた水を左右の頬を交互に動かして吐き出す。ほぼ自立の状態。

段階を追って、確認と指導が必要となり、対象児の状態によって練習法も変わってきます。

[1]模倣による練習

模倣は生活動作や社会的行動を育てる際に良く用いられる方法です。

対象は声かけや指示で日常生活動作ができ、テレビや仲間の動作をある程度模倣できる子どもです。

①集中できる場所で介助者が一連の動作をゆっくりわかりやすいように見せます。

②コップから水を口に含んで出すというような簡単な課題から模倣させて達成感を共有します。

③含んだ水を口の中で動かして出すということを模倣させます。その後、ブクブクと左右の頬を動かすように練習します。

[2]手指指示による練習

この練習方法は手指による直接的な指示と模倣を組み合わせて行うのが効果的です。

対象は日常生活動作で手添えを必要とするが、鼻呼吸や口唇閉鎖ができ、介助下で水を口の中にわずかな時間貯めておくことのできる子どもです。

視覚障害のある子どもの場合、子どもの手指を介助者の頬に触れさせて、ブクブクうがいの動きや音を触知させます

①模倣による練習の手順と同様に、まず模倣で口に水を貯めて出すことで達成感を共有します。

②介助者が水を口に含んで見せ、頬をブクブク動かすところを子どもに手で確認させます。

③子どもに口の中に水を含ませ、介助者の手や指で子どもの頬を動かして水を吐き出すように練習します。

④上記の練習方法を繰り返し、慣れてきたら、介助者の手や指による指示を徐々に減らすようにします。

[3]手指介助による練習

介助者が子どもの顎や口唇を介助して動作を獲得させる方法です。

手による介助を中心とするため、原則として、触覚過敏がないこと、頸が座っていること、不随意運動や咬反射、病的姿勢反射(非対称性緊張性頚反

射や緊張性迷路反射など)が少ない子どもが対象です。

①安定した姿勢を確保します。脳性麻痺がある場合は三角マットやバスタオル、滑り止めシート、把持棒を利用して体を安定させます。

②前もって練習の内容を説明した後に、介助者の手で子どもの下顎や口唇を介助して慣れさせます。

③口に含んだ水を飲んでしまう子どもの場合は、介助者の薬指を子どもの咽仏の上に当てて飲み込みを制限します。介助者の指で舌骨や喉頭の挙上を

制限して嚥下しにくい状態にします。

④子どもの喉頭挙上を制限した状態で、口唇を介助しながらコップから適量の水を含ませます。すぐに子どもの頭部を前傾して口唇を開けながら口の中の水を吐き出すよう誘導します。この際介助者は水を吐き出させる時に「ぺー」と声かけしながら行うことが大切です。結果の良否は別として、すぐに子どもを十分誉めるようにします。

⑤介助下で水を含んでぺーと吐き出すことができるになったら、少しの時間口の中に水を貯めておく練習をします。

⑥口の中に水を貯めておくことができるようになったら、ブクブクと声かけして左右の頬の動かし方を練習します。

これから先は[1]の模倣や[2]の手指指示でブクブクうがいを練習します。

ガラガラうがいの練習

ブクブクうがいができるようになったら、練習を始めます。

[1]模倣による練習

①水を口に含んで上を向く練習から始めます(鼻咽腔閉鎖)。

②鼻咽腔閉鎖ができる様になったら、上を向いたまま、口を開け息を出す練習をします。強くなく、ゴロゴロと軽い音がするくらいで充分です。

③誤嚥や嚥下反射が起きないことを確認できたら、息を吐く力を強めます。ガラガラという音が出せる様に練習します。

[2]手指指示による練習

基本的には、模倣による練習と同様です。上を向く姿勢を保持する様に、指示することが必要となります。

[3]手指介助による練習

①水を口に含んで上を向く練習から始めます(鼻咽腔閉鎖)。オトガイ下部に指を添え、上を向く姿勢の保持を助けます。鼻呼吸を続けながら、姿勢の

保持ができることが目標です。

②鼻咽腔閉鎖ができる様になったら、上を向いたまま口を開ける練習を行います。前額部に手をあて上を向いた姿勢を保持し、オトガイ前部を押して

開口をうながします。最初は、水を含まずに行うことが必要な場合もあります。

③以後は、模倣による練習と同様に行います。うがいの練習では、最初は周囲を濡らしてしまいます。入浴時などに練習をする様に、助言すると喜ばれます。

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