2月19日(日)。院長が代表を務める「NPO法人 関西ウェルヴィーイングクラブ」のセミナーに参加しました。
テーマは「障がいのある患者が語る歯科医療」、講演者は稲原 美苗先生です。
先生は神戸大学大学院人間発達環境学研究科 准教授であり、出生時の医療事故により「軽度脳性まひ(アテトー
ゼ型)」を患われたそうです。 一番苦手なことは「話すこと」とおっしゃり、構音障害をお持ちです。
内容はご自身の経験をもとに子供時代から学生。高校卒業後のオーストラリア、イギリスへの留学。障がいをお持
ちの旦那様との国際結婚。その中での口腔内の変化や歯科医療との関わり。社会と障がい者としての生活につ
いてお話ししてくださいました。
現在は関西ウェルヴィーイングクラブの会員である文元歯科医院で定期的に口腔ケアを受けられています。
先生の講演の中で一番印象に残っていることは「歓迎されていることが大切」という言葉です。
先生は「多くの障がい者は、「歓迎されていない」経験をたくさんしているために、雰囲気には敏感になってしま
う。」と、おっしゃいました。
当医院でも障がいのある子供たちに対しての「受診トレーニング」を行っています。
保護者の方からも「歯科医院での恐怖心からトラウマになって」「受診を拒否されて」との声を聞くことがあります。
トレーニングの内容は歯科医院に慣れてもらうために歯ブラシをしたり、口腔内に器具を入れる練習をしたり。
どの子も時間をかけて練習をすると私たちにも歯科医院にも慣れてくれます。
トレーニング時に「歯医者さんでこんなことしてくれるんですね」と、喜びの声をいただくこともあります。
今回の稲原先生の講演を受けて、より一層、当事者の思いを知ることが出来ました。
当医院でも「相手の立場に」という思いを改めて考え、今後の診療にのぞみたいと思います。